三嶋です。
多くの事業所では、年次有給休暇以外に「特別休暇」を定めています。特別休暇をどのようにとらえて、制度を整えて
いけばよいでしょうか。
1000分の一個の引き出し 「特別休暇について考える」
特別休暇は法律上の義務ではない
産前産後休暇、年次有給休暇のように法律で定められている休暇がありますが、特別休暇は「法律で定められていない休暇」になります。
法律の定めがない休暇は、
自社の考え、どのように風土づくりをしたいか、事業内容などによって考えていくことをお勧めします。
風土づくりと連動させましょう
自社の風土づくりと特別休暇を連動させるために、どのように考えたら良いでしょうか。
例えば、東京都にある電気工事業の会社では、スタッフの高齢化に伴い健康に気を配るため、「通院治療休暇」を設けています。
65歳までの継続雇用をする中で、三大疾病にり患して休職するスタッフが増加する中、有休を使い切って欠勤にならざるを得ないスタッフが増えたため、設けた制度です。主に三大疾病にり患し、通院が必要になった場合に、通院治療休暇を年間10日有給で付与しています。
こうした休暇は一例ですが、
スタッフの安全・健康に気を配り、安心して働ける環境を整備することで、ベテランスタッフは貴重な戦力である、ということを表明できます。
明確なルール設定が円滑な運営のコツ
特別休暇については、ルールがあいまいになっているとトラブルにつながる懸念があります。
特に以下の観点からルールを定めておくことが重要です。
■取得期限を設ける
結婚といっても、式を挙げない人もいれば、新婚旅行も行かない人もいて様々です。
挙式や旅行の日が実際に籍を入れた日から離れている場合もあります。
弊所の顧問先様でも、入籍から1年以上時が経過してから、
「あのとき結婚休暇を使わなかった。来月旅行に行くから、その休暇を使いたい」
と言われて困惑したケースがございます。
こうした場合に備えて、
一定の取得期限の制限は設けておいたほうが良いでしょう。
■休日が絡む場合の日数の数え方を明確にする
特別休暇の間に、もともとの会社休日がある場合のルールも、あいまいにせず定めておく必要があります。
例えば、5日間連続の休暇を認めている間に、日曜日などが含まれる場合です。
この場合、「休日も含めて5日間の休むが取れる」のか「休日とは別に5日間」なのか。
就業規則に定めておき、トラブルを防止しましょう。
社会保険労務士・三嶋からの提案
特別休暇は、自社の風土づくりに連動していくことで、スタッフへのメッセージになり、採用活動でのアピールにもなります。ぜひ、
御社らしさを軸に、お考えになってみてはいかがでしょうか。
就業規則に定めることが必要ですので、ぜひ社会保険労務士事務所Bloomにご相談ください。
参考文献 「特別休暇制度導入事例集2023 」 厚生労働省