皆さま、こんにちは。三嶋です。
中小企業やクリニックでは、少数精鋭で業務をこなしているため、多忙な職員は年次有給休暇が未取得のまま消滅
するケースが多くあります。
そこで、その未消化で消滅してしまう有休を積み立てできる制度を作っている会社の事例がありますので、ご紹介いたします。
1000分の一個の引き出し 「積み立て年休」
目的は「ウェルネスを実現するため」
最近は、複数の顧問先様から「不妊治療のための勤務勤務体制・休暇の検討」について
ご相談いただくことが多くなりました。
そして職員によっては、勤務年数が長くなり、年間取得義務の5日は消化させるけれども、
それ以上の年休がなかなか取得できないケースも散見されます。
都内にあるT社では、
未消化の年休を年5日、最大60日まで積み立てられる「積立有給休暇制度」を導入されたとのことです。
使用可能事由は、配偶者の産前産後サポート、性別不合に関連するホルモン治療、留学など全13項目を設定。
連続取得を可能としていますが、5営業日以上の場合は、取得1か月前までに申請を求めているそうです。
最大の特徴は、使用理由を「ウェルネスを実現するため」と限定している点です。
このように、
目的を決めることは、会社の文化を創ることにもつながり、非常に参考になると存じます。
使用可能事由を幅広く設定
目的をもとに、使用可能事由を決定したそうです。列挙しますので、ご参考にされてはいかがでしょうか。
①私傷病により休業日数が2週間以上に及び、なお休業を必要とする場合
②更年期障害により就業が困難な場合
③生理により就業が困難な場合
④性別不合に関する治療・療養
⑤家族介護
⑥不妊治療
⑦当社におけるパフォーマンス向上やキャリア実現につながる能力開発
⑧社会奉仕活動(ボランティア)
⑨60歳以上の者が定年後の再就職または独立自営のための準備
⑩骨髄バンクドナー
社会保険労務士・三嶋からの提案
この会社では、申請は職員各自が勤怠管理システム上で行い、プライバシー保護の観点から、
直属の上司に言いにくい場合には人事部に直接申請しても良い、という配慮があります。
このように、
制度設計だけでなく、申請方法まで職員に配慮できる会社であれば、
職員もパフォーマンスが出せるのではないでしょうか。大いに参考になります。